守らねばならない

目に飛び込んだものは片っ端から文句を言う奴だ。おまけにデカい顔して。

本質のパチモノ見抜いて、得意気にリピートリピート。うるさい女、ドウシテコウナッタンダヨ。

 

女の中には、大女と小女がいる。人格が2つあるというわけではない。マトリョーシカの様に、大女という殻が小女を包み隠しているイメージだと言えば分かりやすいだろうか。2層構造というか。

大女とは、小女を守る為だけに存在している謂わば殻である。外部から飛んでくるストレス危険物や人間を中心とした社会というものから、小女を隔絶した環境に置き、守り抜くためだけに存在している。

だからこそ、大女、感情を持つな、自我など決して持ってならぬ。お前は生き物じゃ無いんだ。ただ極めて鈍い神経だけを持っておけ、反射に必要だから。社会で根太く生き、他者とコミュニケーションを取れ。理不尽な仕打ちを受けたとして、決してやられるなよ。相応の強気な対応でしっかり闘え。他人の言動にパターン作業の様に反射し続けるんだ。 どうせ辛さも疲労も余韻もお前は感じやしないんだから。

 

小女は、社会を生き抜く強さなど身につけてはならない。何の影響も受けてはならない、社会という概念自体無い世界に存在せねばならない。そうしなければ、女は生きる意味が何もなくなってしまう。

厳重に注意された小女の心を動かしていいのは、小女が心から信頼している、小女の宝となった人間のみ。小女はその人間とだけ対話すれば良い。ほら安心安全。

小女は裸の心で、生きることが出来るだろう。純粋な心と感覚の赴くまま。

 

石井