守らねばならない2

ある人の上半身は生き急いでしまい、足が追いついていない様だ。ある人はハロウィンのかぼちゃみたいな面で話す割には数名分の時間を頂き満足だそうだ。
ある程度大きなロータリーの様な場所にいると、ここを歩くどの人間の心もわかった様な気になる。同じ気分を嫌という程味わった事がある気がする。
こういう場所を見ると力が抜ける。そして何か自惚れの混ざった悲しみがこみ上げるのがわかる。
自惚れの混ざった悲しみはただの自己防衛だから、ホワンとした気持ちに身を任せて脳停止に陥るのは良くない。
麻酔にかかることの出来る大女が万能だと言うこともできる。

答えられないとわかりきった計算をしきりに要求している隣の人間は、その微々たる知力がどうにか連れの居場所に変化するとでも思っているのだろうか。
どこの世界に飛び込もうが、どれだけ歳をとろうが、ここを歩く限りは、たかが知れた心の持ち主として生きるのだろうと思う

石井